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【印刷豆知識】ブランドカラーを美しく再現!特色印刷のメリット4選

ブランドカラーを美しく再現!
特色印刷のメリット4選

2025年06月17日印刷豆知識

特色印刷とは?

印刷における「特色(とくしょく)」は、プロセスカラー(CMYK)では表現できない特定の色を、専用インキで表現する手法です。DICやPANTONEなどの色見本に基づき調合されたインキを使って印刷することで、通常のカラー印刷とは異なる高い再現性とブランド性が得られます。

以下に、印刷における特色の主な利用価値・メリットを紹介します。

メリット①企業・ブランドカラーの正確な再現

企業のロゴやコーポレートカラーを印刷する際、一般的なCMYK印刷では、どうしても微妙な色ブレが発生しやすく、理想通りの色を再現するのが難しい場合があります。
しかし、特色を使えば、DICやPANTONEなどの指定色に基づいてインキを調合するため、ブランドカラーを正確に印刷することが可能です。
たとえば、トヨタの赤、ANAのブルー、スターバックスのグリーンのように、「色の印象」そのものがブランドのイメージを大きく左右する場合には、特色印刷の効果が特に発揮されます。

インキ缶(トヨタレッド・日産赤・木曽路橙)
インキ缶(トヨタレッド・日産赤・木曽路橙)
ロゴカラー

メリット②CMYKでは再現が難しい色の表現

  • ネオンカラー(蛍光ピンク、蛍光イエローなど)
  • メタリックカラー(金・銀・銅など)
  • 濁りのない鮮やかな色(ライトグリーン・オレンジなど)や深みのある濃紺など微妙な色

これらはCMYKでは再現が難しいため、特色印刷によって表現の幅が大きく広がります。

ネオンカラー
メタリックカラー
ライトグリーン・オレンジ・濃紺

メリット③色数を抑えたシンプルな印刷でコスト効率向上

  • 単色印刷で、印刷コストを抑えながらデザイン性を確保。ただし、特色の2色以上の印刷はCMYK印刷よりコストがあがります。
  • 名刺・封筒・帳票などでは、1色でも特色を使うことで視認性や美しさがUP。
特色インキ中身(木曽路橙)
特色インキの中身(木曽路橙)

メリット④安定性の高い印刷結果

CMYK印刷では、印刷機のコンディションや用紙の種類によって色味にわずかなブレが生じることがあります。一方で、特色印刷はインキ自体があらかじめ調合された特定の色を使用するため、色の再現性が高く、印刷結果が非常に安定しています。そのため、同じ色を大量に印刷する必要がある場合、特に10,000枚を超えるような大ロット印刷においては、色ブレを最小限に抑えた安定した品質を保つことができ、信頼性の高い仕上がりが期待できます。

印刷機にセットされた特色インク。見た目オレンジですが、これが薄いベージュ色になります。印刷機にセットされた特色インク。
見た目オレンジですが、これが薄いベージュ色になります。
【比較】印刷中のカラー4色のインク(奥からK、C、M、Y)【比較】印刷中のカラー4色のインク(奥からK、C、M、Y)

特色印刷に高級感・特別感の演出をプラス!

特色印刷と箔押しやエンボス加工、マットPPなどの特殊加工を組み合わせることで、印刷物に高級感や特別感をプラスすることができます。
これにより、見る人の印象に深く残る仕上がりが実現します。実際に、招待状や証書、高級パンフレット、化粧品のパッケージといった、格式や品質が重視される場面で広く活用されています。
こうした加工を施すことで、印刷物に『こだわり』や『格』を感じさせることができ、ワンランク上の仕上がりを求める方にとって最適な選択となります。

箔押し加工
箔押し加工

まとめ:特色の価値は「差別化」と「再現性」

特色はコストが高くなるものの、それ以上に「他にはない表現」や「ブランディングの正確性」という価値を提供してくれます。

こんな時におすすめ

  • ブランドロゴが特定の色に強く依存している。
  • CMYKでは表現しきれない色が必要。
  • ワンランク上の仕上がりを目指したい。
  • 特別感・高級感を持たせたい印刷物。
  • 特色インキ
  • 特色印刷
  • ブランドカラー